免疫だけを鍛えても足りない?春の花粉症ケアとアロマの関係

そろそろ、春の気配が近づいてきましたね。

鹿児島でも寒さが和らぎ、過ごしやすい日が増えてきましたが、それと同時に飛び回る「花粉」の気配に身構えている方も多いのではないでしょうか。

「まだ症状が軽いから大丈夫」
「薬を飲むほどではないから、もう少し様子を見よう」

そうして頑張っている方もいらっしゃるかもしれませんが、セルフケアにおいてはどんな不調も、症状が重くなる前の過ごし方が大切です。

今回は花粉症にお悩みの方に向けて、アロマを使ったセルフケアと、なぜアロマが役に立つのかについてご紹介したいと思います。

花粉症は免疫の問題、だけではない

花粉症は、体内に入ってきた花粉という異物を追い出そうとする「免疫系の過剰な防衛反応(炎症)」です。

本来、植物が飛ばす花粉自体は、人の生命を脅かすほど危険なものではありません。
ですが、大量に花粉を浴びるような環境が続いたり、もともと免疫系の働きに負担がかかる状態が長く続くと、バランスが崩れて、わずかな異物にまでも過剰に反応してしまうようになります。

その結果、「もうこれ以上体に入ってくるな!」と言わんばかりに、くしゃみや鼻水などあらゆる症状を使って異物を排除しようとするのです。

そのため、花粉症のケア=免疫力を整える、という話になりがちです。
ですが、免疫は免疫単体で体を調節しているわけではなく、他の調整システムと連携し、支え合っています。

そのシステムとは、自律神経系・内分泌系・免疫系の3つ。
この3つが支えている、私たちの体全体のバランスを「ホメオスタシス」(=恒常性)といいます。

自律神経は、24時間365日、休むことなく全身の状態をモニタリングし、血圧・心拍数・呼吸などをコントロールしています。
内分泌系は、ホルモンの分泌を調整するシステムで、自律神経系ととても密に連携しながら全身を調整してくれています。
そして免疫系は、この2つのシステムと助け合いながら働いています。

つまり、免疫系が正しく働ける環境を整えるためには、自律神経系や内分泌系にとっても良い状態を作る必要があるのです。

春先に不調で悩む人が増える理由

ですが、春先は激しい寒暖差や生活環境の変化によって、このホメオスタシス全体への負担が特に大きくなる時期です。

春先に原因物質である花粉の量が増えることは、もちろん一つの要因です。
加えてこの季節は、卒業・入学・就職・引っ越しなど生活環境の変化による緊張状態、つまりストレスを受けやすい時期でもあります。

また、植物が芽吹く季節は寒暖差が激しく、日に日に変化する環境に私たちの体は常に適応しようともがいています。

このような変化というストレスと闘っているとき、自律神経系や内分泌系もまたフル稼働しています。

つまりこの季節は、免疫系だけが弱るのではなく、ホメオスタシス全体が非常に疲れやすい状態にあると言えます。
だとしたら、免疫の働きだけを整えようとするのではなく、この「ホメオスタシス全体の疲れ」をケアすることが、花粉症の悩みを和らげるうえで役に立つと考えられます。

アロマが役立つ理由

アロマを嗅いだとき、香りの持つ作用は嗅覚を通じて脳の奥へと届きます。
脳の奥にある視床下部は、自律神経・内分泌系・免疫系という3つの調整システム、つまりホメオスタシス全体の司令塔として機能しています。
嗅覚からの刺激は、この視床下部にダイレクトに届くと言われています。

他の感覚(視覚や聴覚など)と異なり、嗅覚だけは大脳辺縁系を経由して視床下部へ直接働きかけるルートを持っています。
だからこそ、香りは「気持ちがほぐれる」「呼吸が楽になる」といった変化を、素早く、深いところから引き起こすことができるのです。

加えて、アロマはただのいい香りではなく、香り自体にリラックス作用やリフレッシュ作用といった薬理作用が備わっています。
つまり、アロマテラピーは「症状を直接抑える」アプローチだけでなく、ホメオスタシスの司令塔を整えることで、体が本来持っているバランスを取り戻す手助けもできるツールなのです。

春先の疲れやすいホメオスタシスに対して、香りを嗅ぐという手軽な方法でケアできるとしたら、試してみたいと思いませんか?

花粉症ケアにおすすめの精油4選

今回は、成分や作用の観点から、特に春先のムズムズに推奨される4つの精油をピックアップしました。

〇 ユーカリ・ラディアタ
主成分である「1,8シネオール」には、鼻通りの改善や去痰作用が期待されます。数あるユーカリの中でも刺激が穏やかで、日常使いに適しています。

〇 ティートゥリー
優れた免疫調整作用と抗炎症作用を持ちます。アレルギー反応の過剰な働きを抑制し、体内のバランスを整えるサポートをしてくれます。

〇 ペパーミント
メントールのスーッとした香りが、鼻の不快感を和らげます。スッキリとした清涼感は集中力の低下を防ぐサポートにもなります。

〇 ラヴィンツァラ
酸化物類を豊富に含み、抗ウイルス・免疫調整作用に優れています。春先の不安定な体調管理において、花粉症ケアから感染症の予防まで幅広く活躍する精油です。

お好きな精油をティッシュに1滴垂らしてデスクに置いておくだけでも、心地よい香りが心身をサポートしてくれるのを実感できるかと思います。

もう一歩:アロマスプレーの作り方

もう少しアロマケアを楽しんでみたい方には、混ぜるだけで手軽に作れるアロマスプレーがおすすめです。

  1. 無水エタノール 5ml に、お好みの精油を合計10滴ほど混ぜる
  2. 精製水 25ml を加えてよく振る
  3. マスクの外側や、空間にシュッと一吹きする

精油濃度5%のレシピです。肌に直接触れることがないようにお使いください。
精油は1種類でも、お好みで組み合わせても構いません。4種類すべてを揃える必要はありません。

※症状がひどく日常生活に支障が出るような場合は、我慢せずに専門医を受診してください。

春を心地よく過ごすために

春はストレスを受けやすい季節とお伝えしましたが、それだけではありません。新しいことが始まる、ワクワクする季節でもあります。
鼻水や目のかゆみを気にして、せっかくのその気持ちをどんよりと曇らせてしまうのはもったいないですよね。

香りの力を味方につけて、季節の変わり目も心地よく過ごしてください。

自分に合う香りがどれか分からない、あるいは自分の体質を詳しく知りたいという方は、ぜひ「嗅覚反応分析」も活用してみてください。

あなたに必要な答えは、あなたの本能が知っていますよ。